音程は顔で合わせます
8月某日。
本日は朝から晴れ渡る青空。
気持ちの良い天気に思わず洗濯も捗るというもの。
今日は午後から練習だから、朝から干しておけば夜にはしっかり乾いているだろう。
バッチリ干し終わって、さあ出発!
最寄り駅から途中で乗り換えて今日の練習場へと向かうその最中。
あれ…? なんか、空暗くね…?
まさかとは思うが、雨なんて降らないよな…?
あんなに晴れといて、気分よく洗濯物を外干しさせといて。
まさか雨なんて降らないよな?
・・・。
あ。
降ってきたわ。
しかも結構な豪雨が…!
終わった。
完っ全に終わったわ。
ははーん?そういうことですか。
騙し討ちとは卑怯千万な。
さてはおめぇ、冷峰学園だな?
このところ度々ゲリラ豪雨に悩まされる日々を送っていたが、
それも全て奴らの仕業というわけか。
やってくれるじゃねぇか。
なめんなよ。
—---------------------------------------------------------------------------------------
というわけで、本日の練習開始です。
黙々とメトロノームに合わせて一曲ずつ丁寧に進めていきます。
一通り練習したら、メトロノームを外し、己のリズム感と仲間とのグルーブ感を最高潮に高めたところで、いざアンサンブル!
うん、中々上手くいっています。
しかし細かなところはまだまだ精度を高めていく必要がありますね。
とはいえ、メトロノームなしで曲が通るということがまず凄いのです。
何しろ、そもそも人が演奏することなど全く想定されていない曲を人が演奏しようとしているわけですから。
例えば、町のテーマからフィールドのテーマを経ていきなりエンカウントしてバトルに突入する、というような一連の流れ。
ゲームではよくあるこのようなシーンを、まるでゲームのようにシームレスに変動しながら演奏するなどというのは、およそ人ならざる至難の業と言っても過言ではありません。
それぞれ別のテンポで奏でられるメロディー、曲により変わる音色、曲の構成による自分の役割の違い等々。
とてつもなく多量の情報を瞬時に処理して変動させ、更に他のメンバーとも目配せや息遣いのみでそれを合わせていく。
指揮者を置かないアンサンブルだからこその面白さと難しさがそこには詰まっています。
既存の映像や音源に頼らず、時には楽器のみで効果音なども表現したりして演奏するというのが伝統的な熱血スタイルでもあります。
果たして、今回の演目ではどんな驚きの熱血スタイルが飛び出すのか、乞うご期待です!